学生時代から通算すると、もう20数年は京都市に住んでいるが、実は山鉾巡行はこれまであまり見たことがない。
学生時代は宵山などで飲んだくれて三条河原で夜中まで騒いで翌日は昼まで寝ているパターンだったような。山鉾巡行は午前中のイベントなのでそんな夜型の人間にはなかなか見ることが出来ない。というか、そもそも学生時代の私は山鉾巡行見るよりバイク乗る方が楽しくて仕方がなかったから、見に行こうとすら思わなかった。
それから10年数年経過し、社会人になって京都に住みだして、子供が連れて来れるくらい大きくなってからは、一度家族で見に来たことはあるがそれっきり。毎年いつでも観に行こうと思えば行けるという気持ちと、暑い中なのでどうしても見たいというわけでもないからという気持ちと相まって、出かけるまで至らずにいままできた、というのが我が家の実情である。
今年は、そんな気持ちを押して、出かけてきた祇園祭。山鉾巡行のハイライトは交差点で山鉾の進路を90度回転させるいわゆる辻回しだろうけど、誰もが見ようと鈴なりの人混みとなる。私はこの暑いなか更に人の熱気は避けたいので河原町通りの比較的すいているところに陣取り、次々とやってくる山鉾をゆっくりと見ることにした。こんな風に巡行を時間かけてみるのは初めてだったのだが、それぞれの山鉾のいわれをスマホで検索しながら見ていると、それなりの奥深さやおもしろさがあり、また「あの屋根の上の人たちは熱中症にならへんのやろうか?」とか「あのおっさんたちはもう疲れてへとへとやな」とか、いろいろと人間観察をするのも楽しい。
今日は日差しがそれほど強くないのでましだが、これ練り歩くのも相当な体力を要すると感じる。
山鉾巡行のトリは、この船鉾ということで決まっているらしい。最後の三つと先頭な4つ以外は抽選らしいが。この鉾はその特徴のある外観で観る者を魅了する、おしゃれな鉾。またその鉾の運行を指揮している、鉾の前に日の丸の扇子を持って立っている人たちがなんとなくイケメンのような気もするな、とこの地点に来る前に見た時に思ったが、どうも交代制のようでこの場所に来た時にはそうでもなかった(笑)。
それはともかく、この鉾が行き過ぎると、河原町はもとのストリートに戻るのではあるが・・・
トリのパトカーが過ぎたら一瞬だけ、歩行者天国になる。というか、人がストリートにあふれ出し、警備の警察官も収拾つけられない。が、すぐに警察が「歩道に戻ってください」と注意喚起し始め、ほどなくストリートはもとの人のいない状態に戻った!その一瞬を狙って、船鉾をバックにショット!
暑かったが、なかなか見ごたえのあるイベントだなと、この歳になって思った。歳をとれば興味や関心も多少変化していき、以前は思わなかったことに気付いたり、感動したりする。そう思うと、歳を重ねるのも、悪くないなと。
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