2020年4月26日

エンジンが懸からない

我が家のガレージは、W3を出さないとZ1は出せない。狭いのである。

 

今日は、W3のタンク錆取りの手待ちなので、Z1を弄ってみる。

こいつはなかなか状態が良くて、しばらく乗っていなくても割とすぐにエンジンがかかっていたのだが、さすがにそれはむりかな。タンクキャップを開けてみると、W3のように錆は出ていない。ガソリンは少しクサいけど、コックをオフにしていたのでキャブもそれほど汚損されていないだろうとたかをくくっていた。

バッテリーを新品に交換し、コックをオンにしてプラグ穴からオイルを垂らしてキックキック。エンジン全体にオイルが行き渡った頃合いを見てイグニッションon。しかし、うんともすんともいわない。初爆の気配すらない。これはかからんな、と思いながらセルとキックを併用しながら何回かトライするも、全くダメ。4番プラグを外してキックするが火花が出ていない?Z1は1,4シリンダーと2,3シリンダーの点火タイミングが同じなので、3番も外してチェックしてみるが同じ。ん?ちょっと出ている様な気もするが。ということで、とりあえずポイント点検。接触面を清掃し、んー、点火時期は少しずれているけど、これが原因というモノでもなかろう。イグニッションコイルの二次側抵抗を測定したらサービスマニュアル記載の下限値であり一応OK。火花がかなり弱いのが気がかりだけど、経験上、これは電気系統ではないなと。バッテリーは交換したばかりで12.6Vくらいある。ま、とりあえずそれは後で考えることにしよう。

 

キャブのドレンボルトを緩めると、バシャッと少しだけ緑がかった臭ったガソリンが出てきた。本来であればそのままガソリンが流れ続けるはずだがなぜか出てこない。他の気筒も全く同じ。ということはタンクからガソリンが来ていないということ?

タンクのガソリンコックのゴムホースを外してみるとやはり。何も出てこない。コック内部のフィルターが詰まったのかな。

そしてタンクのコックをリザーブ位置に。そしたらコック出口からはガソリンが普通に出てきた!

そこであらためてキャブにつないでみるがやはり4気筒どのキャブにもガソリンが行ってない。

ということで、エンジンがかからないことをまず解決するためにはこれを直さないといけない。

キャブの清掃

要はフロートバルブが固着しているのである。長らくガソリンを流入させないとこうなるということだ。やはり、たまーにはエンジンかけておいた方が良かったな。ほんとサックスばかり吹いて、オートバイのお世話しなかったから、W3もZ1もご機嫌損ねてしまったなー。

とりあえず、キャブを取り外す。そしてフロートカバーを外すと、あらー汚ないこと。ジェット類の真鍮が腐食して緑青がわいている。

フロートを取り外し、フロートバルブを確認する。

写真の通り、フロートバルブシートにバルブが入り込んだまま動かない。キャブを揺らしてもプラスティックハンマーで振動を与えようとも動かない。上流側から脱脂洗浄剤を流してもここでせき止められている。フロートバルブの機能の一つであるガソリンを止めるという機能はばっちり笑。

そこで、ヤマハルーブの登場だ。これはW3でも使ったケミカル。これはガソリン関係の汚れをきれいに洗浄してくれる。

これを上流側から流し込み、しばらく置いて、バルブの先っぽをつかんでぐりぐりすると外れた!

4気筒とも同じだ。

そしてバルブの動きをチェックしたら、シートとのすりあわせ状態が悪いモノが一つあったのでピカールですりあわせしておいた。そしてフロートの動きに合わせてバルブ密着、解放がスムースにいくかどうかのテストを行ったところ数回目で成功。

 

一応、全て完成した時点で、油面調整もしておかないとな。

さてさて、話は前後するが、ジェット類。

メイン系は穴が大きいだけあって、特に問題はなさそう。

しかし困ったのはパイロットジェット(スロージェット)。これが4気筒のうち2気筒も閉塞していた。

貫通・・・No.1,3 閉塞・・・NO.2,4


写真で写るかなーと思ったけど、ばっちり写っている。左側は中央部の穴が貫通していない。

右側、これは貫通しているように見えるのだが、実はこの穴のナカになにやら編目のような模様の異物?が見えるのだ。何だろこれ笑。2つの閉塞したジェットのうち一つは洗浄気吹きを繰り返すと貫通したのだが、それも同じような異物が見える。

少し異物の形が違うなーと思って更に洗浄すると、3気筒分全く同じような形の異物になってきた。なんだこれ。

かなり細いピアノ線で穴のナカを通してみたら、この異物で引っかかる。少し力を入れてピアノ線を押し込もうにも引っかかる。

なんだこれ笑。最初からこんなものはついていないはずだから、ガソリンに浸かっている間に真鍮が溶けて析出したものだろうか。それにしても美しい異物である。規則性のある形をしているので何か化学的に形成されたような感じだ。

ネットで調べてみたが、さすがに何もヒットしない。このジェット。ちょっと保管しておこう。

さて、では新品が売っているのかどうかだが、これは大丈夫。

ネットで1本500円少々で手に入れることが出来た。助かった!

 

それと、備忘録。

No.2シリンダーのキャブのフロートピンが抜けずに往生した。

力任せにピンをポンチで打って、支柱まで折れてしまっては修理するのが大変。専門業者行きである。

そのため、細い六角レンチの短いやつでこつこつと小さくたたきなんとか引き出すことに成功。

しかし、最初ピンをラジオペンチで掴んだためにそのギザギザが転写されてしまってピンに凹凸ができてしまった。そのため、今度取り付けるときには余計に力がかかってしまう。これでは悪循環だ。ピンは普通は手の力ですっと入って、最後だけ少しポンチで打ち付けるくらいの力で入るので、このNo.2だけは異常。

全開ここのピンの取り外し取り付けを行ったのは、京都のZ専門店。もう相当昔に閉店してしまったところ。

この話をすると長くなるのだが、このZ1、以前にもキャブを取り外した状態で数年間保管していたことがあって、改めて組みあげてエンジンをかけたところスロー系が全然合わないという現象が発生。 その前までは普通に動いていたのになぜだろうと思いながら自分では原因が分からないのでこのお店に駆け込んだ。そのときの記録はこちら。

そこのお店が無理して入れ込んだのかな。

 

話がそれた。そのピン、ボール盤にチャックしてサンドペーパーで表面をさっと研磨してみた。そしてキャブに取り付けてということを何回かやっているうちにスッと手でも入るようになった。よしよし。力が入ってはいけないとことに力を入れてはだめ。きちんと組み付けられていなかったり、どこかを壊してしまったりとろくなことが無い。

 

さて、件のパイロットジェット。入荷は少し先になるだろう。それまでちょっとの間Z1の整備はお休みだな。

2020年4月28日

油面調整

パイロットジェットを発送したとの連絡がショップよりあった。早い!

在庫があったのだろう。さすがだなZ。購入したのはこちらのサイト

PMCとかドレミコレクションなら知っているけど、ANNYSというメーカーは初耳だ。

 

自宅に届いたらすぐに組上げられるよう、油面調整を先にやっておくことにする。

100円ショップで3個100円の小さい容器。これがZのキャブフロート室にジャストフィット。このためにあるのでは無いかと思うくらいぴったりである。更に三つというのが良い。Zのキャブへのガソリンの流路は1,2番と3,4番がそれぞれ別。だから油面調整をする際にも二つづつ行う。よって高さを合わせるためのものを含めて3つ容器があれば良いのだ。ほんと作業性も良い。

 

Zの油面はキャブ本体の底面から2.5~4.5mm、標準は3mmとサービスマニュアルにある。

No.2がオーバーフローする。昨日はちゃんとせき止めていたのに。一応、何か小さい傷でも入ってしまったのかもしれないし、ピカールですりあわせをしておく。これをするとバルブの動きもすこぶる滑らかになって心地よい。

 

テスト結果は良好で、順次油面高さを確認していく。

 

No.1 3.5mm

No.2 4mm


No.3 4mm

No.4 4.5mm


どれも大体基準値に入ってたが、No.4は少し大きめだったので調整。

 

この容器、何度も言うけど優れものだなー。

 


で、ちょっと気になることをテストしてみた。

この油面調整を水でやってみたらどうなるか。浮力はフロートが押しのけた液体の重量とイコールであることは中学校の理科で学んだかと。水はガソリンより重たい。比重は水:ガソリン=1:0.75くらいか。とすると、ガソリンで調整した油面高さよりも水で調整したときの方が油面高さは低くなることになる。要はフロートが押しのける体積が水の方が少なくて良いということ。

ではこのキャブでは水面高さ笑はどれくらいになるか?

 

水面高さ調整用のペットボトル改のタンク。ちゃんとコックも付けた!このコックは以前なにわ旧車部品交換会で購入したモノ。こんな時に役立った笑。

 

No.3 8mm

No.4 8.5mm



           No.3   No.4

ガソリンの場合    4mm  4.5mm

水の場合       8mm  8.5mm

 

ということで、実験の結果は水がほぼ倍の値となった。これには正直驚いた。もっと大したことの無い誤差レベルかなと思っていたので。ネットでは水で調整してそのまま組上げている人も居るけど、やっぱ油面調整はガソリンでやらないと。

でも、今回このキャブについては誤差が判明したので今後は水でも良いかな。

もちろん、調整後は洗浄剤と気吹きで徹底的に水分を飛ばしておく必要があることは言うまでも無い。水分があるとジェット類が錆びてしまい、また元の木阿弥になってしまうので。

 


ガレージをごそごそと整理していたら、いろいろとパーツが見つかった。

オイルフィルター、Oリングの数々。

今回改めてネットで注文しようと思っていた部品だ。以前に複数購入していたんだな。袋に部品名を書いてあって親切笑。

でも、何か分からない部品も。ホンダの部品は多分TL125のものと思う。左のOリングはBMWのF650のオイルフィルター関係と違うかな。部品番号がBMWのパターンだしな。売るほどでもないし、捨てるのももったいないので一応何かのために置いておこう。

 

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